JIS配列か、US配列か。キーボードは悩ましい…

現在、オフィス(会社)ではUS配列(変則キー配列)、自宅ではデスクトップPC2台がJIS配列、ラップトップPCがJIS配列というキーボード環境でライティング作業を行っています。で、たまに話題になるJIS配列とUS配列では、日本人がタイピングしていてどちらが快適かつ効率的か、という問題ですが…。

実際に7〜8年くらい並行して使ってみた印象としては、どちらを選択したとしてもしばらく使っていれば「慣れ」に収束していってしまう、という感覚ですね。
JIS、US配列についてどちらが優れているか細かく分析しているサイトもあって、一時は熱心に閲覧したりしたのですが、US配列で和文を打っても別に不便とは思わず、JIS配列で英語長文を叩いてもコーディングしてみても違和感はなく、まあ結局のところどっちに転んでも大差ない、というところでしょうか。
US配列に関心を持ったのは、お友達のテクニカルライターさんが普段の仕事にUS配列キーボードを使用していたのがきっかけでした(Macを使っていたということもあるけど)。彼女は数百ページものソフトウェア・マニュアル本を超短期間で仕上げるほどの頭脳の回転とタイピングテクニックを持っていたのですが、その技術を支えているもののひとつがスペースキーが広いUS配列、というものでした(と自分で言っていた)。加えて、JIS配列の方はリターンキーがばかでかい上に余計なキーが下段にたくさんあって見た目の バランスも悪く、 US配列の方がすっきりしていてきれいだからタイピングしていて楽しい、とも言っていました。
…なるほど、まったくその通りだな、と私も思いました。
 
(変則 US配列 無刻印タイプ)Happy Hacking Keyboard
その意見に感化され、自分もライターの端くれ、ここはひとつUS配列にトライしてみよう、と評判の良い「Happy Hacking Keyboard」のUS配列無刻印ステルスタイプを入手しました(上のphoto)。自宅使用で大分慣れてきたところでオフィスに持ち込み、自分のメインマシンにこれを接続して、PC側もキー配列通りのタイピングができるようにチューニング。同僚や出入りのシステム業者さんがちらちら眺めに来るのがちょっと快感だったり、打ち合わせで来社したWebデザイナーさんが興味津々に、私にもちょっと触らせてよ、とのぞきに来たのもなんだか嬉しくて、なかなかの評判のキーボードだな、と悦に入ったりもしました。

オフィスに持ち込んだのは、ライターとしての 仕事を通してUS配列に徹底して慣れるのと、他のスタッフに対して、自分が席を外している間に勝手に触るなよ、というメッセージも若干…。今時、そんなコンプライアンスに反するスタッフはいるわけがないのですが、以前はハッカー気取りのやつがいたもので。
で、このキーボードはそれ以来、ずっとオフィスの私の相棒として活躍してくれています。打感も快適で、タイピングもリズミカル。ただ、Happy Hacking Keyboardプログラマ向けと称して通常のUSタイプとも違ったトリッキーな配列なので(ShiftキーとCTRLキーが上下逆など)、それに慣れるのには若干手間取りましたが。

 
JIS配列(東プレ)
また、当然ながらオフィスでUS配列を使っていると、自宅 でJIS配列を使うときにはショートカットキーなどをつい間違えてしまい弊害が出ます。家へ帰ったら帰ったで、自分のタイピングモードをリセットしなけりゃならないわけですけど、とはいえそれほど大騒ぎするような弊害でもないので、多少不便を感じながらもUS配列とJIS配列の併用を(いまのところは)続けています。
私の目論見としては、自宅用も含めて自分が使うキーボードはすべてUS配列に統一する、というものでした。ですが、その目論見も去年末に放棄してしまいました。
理由は、デスクトップPC中心の仕事スタイルだったのですが、このラインアップにWindowsラップトップを投入することにしたからです。日本という環境下において、WinラップトップはJIS配列以外に選択肢ありません。いや、もちろんUS配列が選択できるラップトップも市販されてはいます。デザインがスタイリッシュなこともあって私も一時はそちらに食指が動いたのですが、残念ながら電子機器 としての安定性・信頼性にいまひとつ不安の残るブランドだったのであきらめざるを得ませんでした。好みを優先するか、安定性・信頼性に重きを置くかという選択肢ではいえば、それが仕事というフィールドである限り、どちらに軍配が上がるか明らかです。つまりライターとしてのスタンスに立つ限り、リライアビリティファーストで考えれば現状ではJIS配列しか選択肢がないということです。

かな文字なしタイプ JIS配列(Let's note)
で、US配列とJIS配列の併用などという若干でも負荷のかかることはやめ、キーボードはJIS配列に統一することに決めました。確かにUS配列に未練はあるんですけど。配列としてのシンプルな美しさは、やはりUSの方が上かなあ。でもタイピングしているときはキーボードなんか見ないので、関係ないといえば関係ないが。
日本という環境下で、日本語も英語も操るライターとして今後も安定して仕事を続けることを考えたら 、マイナーなUS配列ではなくメジャーなJIS配列が自然でストレスのない選択になる、というところですね(UNIX使いのプログラマやコーダーはまた別なんでしょうけど)。愛すべき、信頼すべき日本の電子製品たちはJIS規格の結界にしっかり収まっちゃっているわけで。ちょっと違うか w。

今使っているUS配列のHappy Hacking Keyboardは、マシン本体を入れ替えることになったら、家に持って帰って、ご苦労様という感じでデスクサイドにでも置いておきましょうか…。

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