2008-01-01から1年間の記事一覧

宮本武蔵の本質に迫る

◆宮本武蔵―「兵法の道」を生きる魚住孝至著 岩波新書 宮本武蔵は、自分にとって非常に魅力的な存在であるにもかかわらず、さまざまな虚像によって語られるがゆえに武道の本道からは少し外れた、きわもの的な存在という印象がぬぐいきれなかった。またそれら…

新書と手帳

◆「岡潔」高瀬雅仁著 岩波新書岡潔といえば、情緒、無明という言葉がすぐ頭に浮かぶ。小林秀雄との対談が強烈な印象を残しているからだと思う。これは、その岡潔の評伝で、主に数学への対し方を中心に描かれている。多変数解析論での膨大な研究で実績を残し…

最終日の、ピカソ展へ

フェルメール展から少し間が開いてしまったが、今日最終日、国立新美術館の方のピカソ展へ行ってきた。 フェルメールの時は、全体よりまずディテールをひとつひとつ注視しながらそのイメージを積み重ねていき、全体像を頭の中で構築しつつ視ていく、という見…

金融危機というより読解危機(笑)

朝日によると、日本の「蟹工船」と同様、ドイツではマルクスの「資本論」の売れ行きが激しいらしい。金融危機によって資本主義に疑問を感じている人たちが多く現れてきて、旧東独系の学生たちが中心になって輪読会が開かれているという。ただ、若い学生にと…

誰かに助けて欲しいくらい

石川遼プロが優勝した。すごいことだと思う。 朝日に『誰かに助けて欲しいくらい苦しいゴルフで泣きそうになったが、最後にいいことが待っていると信じてプレーした』というコメントが載っていた。この心情は痛いほど分かるし、それをよく乗り切ったと思う。…

モレスキンの東京版

モレスキンのシティノートブック東京版が出るというので予約しておいたら、市販より一足早く届いた。 中はマップと、路線図、ストリートインデックス、あとはタブを開いて、お気に入りのレストランやら映画やらをメモできる、というもので、旅行者を想定して…

フェルメールの前に立つ

フェルメール展へ行ってきたが、やはり混雑していた。夕方の方が空いているんじゃないかと、3時過ぎにつくように出かけたけれど、とんでもない話で、40分待ちを耐え、中に入ればまたたくさんの人で落ち着いて見られる状況ではなかった。結局、中で見られたの…

東京ガールズコレクション

東京ガールズコレクションを、NHKでやっていたので見た。やっぱりというか、NHKらしくブランド名を一切出していなかったけど。 ギャラリーの女の子達の目当ては、服のデザインもあるだろうけどモデルなんだと思う。普段は雑誌やらTVでしか見られないモデルと…

ただひとり、バイクに乗って旅に出る

バイクに乗って旅に出るっていうのは、車に乗って出かけるのとはまったく違う感覚があるな、と思う。誰かといっしょに走り、いっしょの風景を見ても、自分だけしかこれを見ていないという感覚。埋めることのできない孤独、というのだろうか。だから自然に、…

諸事雑事

◆一昨日、添付ファイルを取引先に送ろうとしたが、何度か試してみたにもかかわらず、なぜか添付されない。仕方がないので共有フォルダに入れ、それを同じ取引先を担当する他のセクションのヤツに拾ってもらって送信した。他のファイルは添付されるので、メー…

全員がアウェー

「オリンピックは3回出場しないと意味がないんですよ。1回目は何が何だか分からないうちに終わってしまう。2回目でようやくテーマが見えてくる。3回目でやっと結果が出せる」。アルペンスキー全日本ナショナルチームのメンバーだった海和俊宏氏が昔、こんな…

勝ち組の教科書

最近はあまり耳にしなくなってきたが、例の勝ち組、っていう表現。 起業においての勝ち組への成り方っていうのは、収穫逓増で垂直起ち上げ的に一気に事業を拡大し、一定の段階に至ったときに企業としての sustainable(持続可能性)というスタイルに変貌させ…

World Press Photo 08

今日は休みを取って、夏恒例の恵比寿・東京都写真美術館で開かれている「世界報道写真展」へ。始まったばかりのフェルメール展とどちらにしようか迷ったが、報道写真展の方が今度の日曜までということなので、こちらを選択。http://www.syabi.com/details/ww…

辺境から中央へ

辺境から中央へ、なんていうフレーズが大分以前に流行った気がするが、先日のゴルフ全英女子オープンを見ていたら、この言葉が妙にリアルに頭の中に浮かんできた。振り返ってみたら、今季女子メジャーの第一戦はメキシコ選手、第二戦は台湾選手、第三戦と第…

The Köln Concert

キース・ジャレットのザ・ケルン・コンサートって言うほど素晴らしいのだろうか。はっきり言って、雰囲気だけで中身スカスカっていう感じ。やっぱり完全アドリブの限界があるな。 水曜日深夜。提案が翌日だというのにプランニングの片がつかず、仕方なくオフ…

080720

春琴抄、中村彝、ビアズリー

数日前に谷崎潤一郎の『春琴抄』を読み終わった。最近、ノンフィクションとか批評ばかり、たまに通俗小説を読むくらいであまり純文学系のものを読んでいなかったし、昔の小説なのでその世界に入れるかどうか心配だったが、すんなり読みふけることができた。 …

08/06/28

Chopin Waltz in C-sharp Minor, Op.64, No.2

これが弾けるようになれるんだったらピアノをちゃんとやってみても良いかな、リビングにはアップライトが置いてあるし、という曲のひとつが、ショパンのWaltz in C-sharp Minor, Op.64, No.2。これのNo.1と連続で弾けたらとても良いだろう、と思う。 演奏:A…

クロッキー会

月一第四土曜のクロッキー会は、昨日は男性モデル。芝居を中心にダンスもやっているということで、動きと身体のラインがとても良かった。なかでも良いと思ったのは頭の骨格の形。欧米人のそれとはまた違って純和風の古風な雰囲気なのだけれど、バランスの良…

080525

写真の効用

3万円弱のお手軽コンパクトデジカメを買って、はや半年。最近、クローズアップで撮ることを覚えて楽しみが広がった。で、実家の庭やらあちこち散歩に出かけたついでやらに風景やら建築物やら植物やらの写真を撮っていたのだけれど、カメラのモニター画面で母…

地元のパフォーマンス

これも自転車に乗り出したひとつの効用なんだろうか、眼鏡のひとつをどこかに紛失してしまったので、今日は地元で購入することにして自転車でふらふらと商店街を遡っていった。デザインに気の効いたタイプは銀座のあの店やら自由が丘のあの店やらにあること…

“その夢は、今も走りつづけている。”

1994年5月、イタリア・イモラサーキットで 34年の生涯を閉じた伝説のF1ドライバー、アイルトン・セナ。 神の領域と囁かれた正確無比なコントロールは、 マシンをパーフェクトな状態に仕上げるために、すべての 犠牲をいとわなかったセナだからこそ到達しえた…

描く

自分が思い描いていたことと違うことを始めることがけっこう多くなってきたような気がする。例えば絵とかクロッキーとか。自分としては「書く」ことをコアとしながらそれに徹底していこう、なんて考えていたのに、「描く」ことがこれにひとつ増えた。きっか…