書籍/雑誌

本を断捨離する

先日、「何だか最近、寝付きがあまり良くなくて」という話をしたら、相手の人は透視ができるらしく、一瞬で僕の部屋の間取りを見透かして、「あ、寝室の隅に中途半端な高さの棚があるでしょ。断捨離してそれ片付けないと。いまそれがあるから部屋の空気の流…

富井篤先生の「技術翻訳 奥義と裏技」シリーズ

翻訳の研究をされている富井篤(とみいあつし)先生の著作による「技術翻訳 奥義と裏技」シリーズが、Amazonキンドル本として3月から出版が開始された。 この著作の冒頭部分には、絶版になった書籍を含む40点におよぶ氏の著作を一度すべて解体し、「技術翻訳…

理系の英語

年末に書店で買った本の中の一冊が「教養としての理系の英語」。本のタイトルと表紙のタイポグラフィの端正さに惹かれて、ほぼジャケ買い的なノリで買ってしまった。 内容は、1/3が数式の英語の読み方、1/3が基礎的な科学例文、1/3が理系基礎語彙、という構…

雨降り

せっかくの日曜が雨降りだったので、おとなしく家で読書タイム。 ◆「現代英文法講義」安藤貞雄著、開拓社以前から欲しかったものの、宝の持ち腐れになりそうだなあ、と長い間躊躇しつつ数か月前にやっと買った本。自分は英語にかかわり、それを活用する実践…

素数は深海の彼方に

「新潮クレスト・ブックス」というシリーズは装丁が自分好みで、いつかその中の一冊を読んでみたいと思っていたのが、やっと「素数の音楽」という本を発見。 これはつまり、素数の出現の規則性を発見するための、数学者たちの、時空をまたがった長い長い道の…

2月下旬

◆「悼む人」天童 荒太著以前から気になっていた作家だったので。「死」と向き合いつつ、全国を旅しながら悼む行為を続ける青年と、彼の家族、それに関わる人々の物語。ロードムービー的な感覚で読めた。400頁を超える小説だったが、割と一気に読み切った。改…

「日本語が亡びるとき」

「日本語が亡びるとき」を読了。カバーのデザインは地味目というか今風じゃないというか、もう少しどうにかならなかったのだろうか。国立国語研究所が出している本のような表紙。これって昔の小説の表紙をイメージしたのかな。まあでも、何という本なのだろ…

読んでる本と読みたい本

◆現在「日本語が亡びるとき」を読書中。最初は文章に品がねぇなぁ、と思っていたのですが、だんだん面白くなってきた。Amazonのレビューを見ると、知識の怪しげなところがあるらしいのですが。まあ、それはそれとして視点としては面白いと思う。もう一冊読書…

宮本武蔵の本質に迫る

◆宮本武蔵―「兵法の道」を生きる魚住孝至著 岩波新書 宮本武蔵は、自分にとって非常に魅力的な存在であるにもかかわらず、さまざまな虚像によって語られるがゆえに武道の本道からは少し外れた、きわもの的な存在という印象がぬぐいきれなかった。またそれら…

新書と手帳

◆「岡潔」高瀬雅仁著 岩波新書岡潔といえば、情緒、無明という言葉がすぐ頭に浮かぶ。小林秀雄との対談が強烈な印象を残しているからだと思う。これは、その岡潔の評伝で、主に数学への対し方を中心に描かれている。多変数解析論での膨大な研究で実績を残し…

「フェルマーの最終定理」

終盤の、アンドリュー・ワイルズがフェルマーの最終定理に肉薄していく部分がやはり白眉。アミール・D・アクゼルの方は途中で投げ出してしまっていたのでせっかくだから再度読んでみようかと思ったけれど、まあ、そちらは後でも良いかな、という感じになった…

『暗号解読』

サイモン・シンの『暗号解読』、文庫版の上下を読了。やっぱりサイモン・シンは上手い!! 量子コンピュータ(出現予定)と量子暗号の出現には、それがもたらす結果と、それを生み出した背景を考えると背筋が寒くなるものがある。これで『フェルマーの最終定…

波の絵、波の話

写真 稲越功一、文 村上春樹。 手元にあるこの本は、かなり昔、ランチタイムに偶然入った稲越功一の個展会場に置いてあって、それを購入したものだ。サイン入り。その後しばらく、稲越功一の展覧会があるたびにお知らせが自宅に届くことになる。 村上春樹の…